成人儀礼

(続き)
近世では神仏に詣でることが儀礼の基礎ですが、本来の儀礼の本質は、この世の創造の母体としての他界(=死)と対面して、人格を成長させることでした。

最も原初的な成人儀礼は、洞窟か森の中の儀礼用の小屋で行いました。
洞窟は他界であり、地母神の子宮であり、洞窟から出ることで、新しい人格として再生します。
森も他界であり、小屋は怪物(聖獣)であり、怪物に飲まれ、吐き出されることで再生します。

鯨に飲み込まれたピノキオや、狼に飲み込まれた赤頭巾ちゃんの童話には、原初的な成人式の姿が残っています。
森の中の小屋も、童話の定番です。

他にも、成人儀礼が変形された童話としては、異界に行って、何かを手に入れる(ジャックと豆の木…)とか、何かをやっつける(ヘンデルとグレーテル、一寸法師…)といった形が見られます。

異界に行って戻ることは死と再生の象徴です。
何かを手に入れたり、やっつけることは智恵などを獲得する象徴です。

ジブリ作品には成人儀礼の物語が多くあります。
「千と千尋の神隠し」、「となりのトトロ」、「崖の上のポニョ」などは、成女儀礼の物語です。
特に「千と千尋の神隠し」は典型的で、トンネルを通った先の他界の家でグレードマザーと対面し、試練を受ける話です。

部族社会での成人儀礼では、知識は神話の伝授として、試練は神話上の英雄の行為の追体験として行われます。
成人が理解し獲得すべき「文化」は、神話では「文化英雄」と呼ばれる存在や、氏族の「始祖」がもたらしたものです。

(続く)

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