コミュニティの祭祀とアソシエーションの祭祀

「コミュニティとアソシエーション」ジャンルで、一連の論考を書きます。

コミュニティを基盤とした供養の再建についての意見を聞きます。

しかし、本来、供養では「コミュニティ」や会社とは異なる社会原理である「アソシエーション」が重要なのではないか、という理想論を持っています。

これについて、「コミュニティ供養とアソシエーション供養」というテーマで、何回かに渡って書きます。

ただ、「コミュニティ」という言葉の意味を、人類学的な「アソシエーション」との対比で狭く使うことで、論点を明確化しています。

「アソシエーション」をテーマに日本の歴史と供養を語って大きな図式を描くことは、先例がないと思います。



世界的に、伝統的な祭祀や神の観念は2種類に分けることができます。

1 常住神の祭祀(共同体組織が祀る:日常的な秩序と関わりが深い)
2 来訪神の祭祀(結社組織が祀る :非日常的な死や豊穣と関わりが深い)

1は普通の神社の祭祀などで、「共同体(コミュニティ)」の組織が担います。
共同体の日常的な「秩序」と結びつきが強い祭祀です。
柳田國男的な安らかな氏神・先祖霊などを祀ります。

2は特別な「結社・組合(アソシエーション)」組織が担います。
年に一度、外部から神霊を招くような祭祀で、「豊穣」と結びつきが強いものです。
秋田のナマハゲや南西諸島のアカマタ・クロマタのような荒々しく非日常性の高い先祖霊・死霊などを招きます。

「共同体(コミュニティ)」組織は、どこどこに住む何々家の長男で、村の役職は何々、といった地縁・血縁をベースにした組織です。
これに対して、「結社(アソシエーション)」組織では、個々人が平等につながります。
存在するのは年齢の差だけで、共同体の人間関係とは無縁です。

世界的に伝統文化では、コミュニティ(地縁・血縁組織)とアソシエーション(結社組織)に比較的はっきりした区別がありました。
多くの伝統的な部族文化は、日常の共同体組織とは別に、多数の結社・組合組織のある多層的な社会構造を持っていました。

成人式などの通過儀礼、来訪神的な先祖儀礼、死に関わる仮面儀礼のような儀式は、コミュニティ組織ではなくアソシエーション組織が担います。
つまり、日常の秩序とは異なる、外部的な、自由な、創造的な、聖なるものと接する場合は、人はコミュニティによって規定された人間としてではなく、アソシエーションが保障する開かれた人間して対面するのでしょう。

そう考えると、現在日本で共同体ベースで行われている成人式に何が足りないか、なぜ荒れるのかもは明白です。
(2010)

(続く)

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